b-said-green’s blog ~物静かな植物たちの声~

植物のある生活をシンプルに楽しんで!

購入する前に。観葉植物編 ~ その3 ~

こんばんは。

今日は観葉植物を購入するにあたって、具体的にどう判断するべきかをお話したいと思います。

少しでもお役に立てて、皆さんがお好みの品種と出会われることを願います。

 

観葉植物の品種選び、これは一言で済みます。

「 置きたいと思う環境に合った品種とサイズで選ぶ 」ということです。

 

しかし、これが実は深くて、さらには広いんです。

加えて、一般的に出版されている園芸本やネット情報の表現が一層難解にしているところもあります。

???と感じるものを多々見付けるのです。

言い方は極端かもしれませんが、業界の記事よりも一般ユーザーの方のblogの方がしっくりと思えるものがあったりします。

( 長年、現場で植物を見て来た立場からです。)

植物というものが生き物であって、そこに通り一辺倒の理屈理論では計れないものがあるということです。

 

そもそも観葉植物とはなんでしょう?

ひと言で、屋内だから観葉植物、屋外は庭木とは区別出来ません。

観葉植物市場で出荷される植物の中には耐寒性や耐暑性を兼ね備え、屋外でも育つものが何種もあります。

私が思うのは、その植物に鑑賞価値を見いだせるかどうかではないでしょうか。

 

話が逸れそうなので戻ります。

お部屋に植物を置きたいと考えられた時、それがリビングなのか、書斎なのか、或いは寝室なのか?

南向きなのか、西向きなのか、或いは北向きなのか?

大抵の本やネットで触れられる項目です。

植物を置きたいと思う環境を判断する際に考えるのは大きく3つです。

 

・育つであろう場所

・現状維持が精一杯な場所

・植物の管理は厳しいであろう場所

 

植物は皆さんもすでにご存知なように光合成を必要とします。

つまり、明かり です。( 耐陰性 )

加えて、植物の持つ ( 耐寒性 )と ( 耐暑性 )を考えます。

本やネットから得る情報は上記三点を抑えたものを参考にして下さい。

 

おおよそ南向きのリビングなどは光量を考えた時に、植物には理想に近いと言えます。

フィカス属やシェフレラ属、例えばウンベラータやベンジャミン、ゴムの木、ツピダンサスなどには居心地が良いでしょう。

この様な環境下で窓際にこだわる必要はありません。

むしろ、日光が差し込むような場合は夏の陽射しによる葉焼けが心配です。

よく例えられるように、「 レースのカーテン越し 」の光量から一歩奥まった場所まで設置場所の候補は広げることが可能です。

たまに、天気の良い日はたっぷりと直射日光を浴びせてあげましょう!

そんなことを鵜呑みにしないようご注意を。

直射日光に当てる場合は別にありますので今回は一旦置かせて頂きますね。

「日当たりが良い 」「 明るい日陰 」などという表現は屋外のもの。混同するのでこの様な表現での解説は観葉植物にあっては使いません。

 

「 うちは西日がきつくて育たない 」

時々そう聞くことがありますが、これもそれほど気に掛ける要素とは言えません。

注意点としては、葉焼けしにくい品種を選ぶことと、ガジュマルやベンジャミン、

アレカヤシはワタムシやカイガラムシが発生しやすいのでこまめにチェックする必要があります。

 

次ぎに、現状維持が精一杯であろう環境です。

陽射しを避ける書斎やキッチンなどがそうでしょうか。

建築によって変わるでしょうが、分かりやすく言えば文庫本の文字を照明なしで普通に読める明るさがあればまずオッケーと考えて下さい。

そして、このくらいの環境から潅水の重要性が問われます。

このレベルの環境からは、耐陰性のあるドラセナ類やサトイモ科などが頼りになります。

この二種は水持ちが良いので潅水量をコントロールしやすく、慣れるまではこの二種の中から選ぶと良いかもしれません。

ドラセナ マッサンゲアナ、コンパクタ、コンシンネジュレ

( ユッカやノリナ、ストリクタなどは含みません。)

サトイモ科では、モンステラやポトス、セロウム、スパティフィラム、アンスリュウム等。

中でもアグラオネマは信頼抜群です!

( 映画 ニキータの中で、ジャンレノが大事に持ち歩いた植物です。)

例外としてカラジュウム、アロカシヤは外します。

ついでながら、これからの季節にカラジュウムはおすすめです。

コンテナガーデンや花壇のカラーリーフとして使ってみて下さい。

美しい葉色を初秋ころ迄楽しめます。

 

 

先ずお伝えします。

「 土が乾いたら、上からたっぷりと水を掛け、鉢の底から出るくらい 」 これを額面通りに行ってる方は植物を弱らせたり、病害虫に悩まされる確率が上がります。

 

観葉植物レンタルの顧客先での環境は実にそれぞれで、無理を承知で設置することなど珍しくありません。

かといって、植物を枯らしてしまっては商売になりませんから非常にタイトな潅水管理が必須となる訳ですが、ひとつだけはっきりと言えることは鉢の底から流れ出る程の潅水量を必要とする観葉植物はほんの数種です。

温室でもない一般の家庭環境下でそんなにも沢山の水が必要なものはありません。

 

では、無意味なのかと言うとそうではありません。

鉢の上からたっぷりの水を与えることの理由は、水と同時に酸素を供給するところにあって、酸素が根の環境を良くします。

可能であれば、月に一度くらい曇りの日のベランダで葉のてっぺんから水を掛けてあげ、同時に土にもたっぷりと水が行きわたるようにしてあげます。

葉に付いた埃を取り除くことと、葉水、酸素供給を同時に施してあげる訳です。

但し、葉に残った水滴は水垢にならない様に早めに拭きあげます。

 

話を戻します。

「 植物の管理は厳しいであろう場所 」

プロであれば品種を限定してギリギリの管理のもと、数か月から半年程度は維持管理が可能なのですが、一般のご家庭でそれをおすすめは出来ません。

では、北側の部屋には置けないのか?

マンションの様な玄関には無理なのか?

 

この様な場所では小物を上手に使うことをおすすめします。

小物をローテーションして楽しんではいかがでしょうか。

2~3鉢の小物を2日置きくらいでローテーションさせることで徒長を防ぐことも可能です。

 

その他、風通しを問題にしてあることが多々ありますがこれも優先順位で言えば下位ですし、日頃の管理で十分クリアできることですので別の機会に掘り下げようと思います。

もう一つ、霧吹き( ミスティング )についても葉水としての必要性はありません。

埃が掛れば水垢にもなりますし、アジアンタムなどのシダ類などには効果があると思いますが、それでも枯れやすいアジアンタムはお勧めしませんし、ツデー ( ネフロレピス )は下層の葉が散り落ちます。

もしミスティングをするのであれば、基本的には葉裏にする様にして下さい。

これはハダニ防止に有効です。

 

これから少しづつ観葉植物を覚えようと思われる方には科目を覚えられることをお勧めします。

これは管理をするうえで、新品種や未経験の品種を育てる際に推理が容易になるからです。

 

かなり取り留めなく書いてしまいましたが、

今後、細分化してポイントをまとめてみようと思います。

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ベンジャミン バロック



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

購入する前に。観葉植物編 ~ その2 ~

こんばんは。

今日は、昨日に引き続き購入するに至るまでの話です。

観葉植物を欲しいと思ったときに、どこで買うのがベストかという話を書いてみようと思います。

 

その前に、一般ユーザーの方々はこの園芸業界をどの様に見てらっしゃるのでしょう?

植木屋さん

花屋さん

園芸屋さん

装飾屋さん

庭師さん

色んな呼ばれ方があります。

 

そのことが示すように、園芸業界と言っても、

観葉植物  

庭木

生花

草花

アートフラワーにプリザーブドフラワー等など。

それぞれに専門知識と経験があるということなんです。

 

今回は観葉植物の購入なので、誰に頼みましょう?

専門店

園芸センター

フラワーショップ

造園屋さん

インテリア雑貨店

ネットショップ

ホームセンター

 

各分野の中で知識と経験を兼ね備えた方がきっといらっしゃると思います。

専門店なら観葉植物について詳しいのは当然ですし、園芸センターもしかり。

かといって、お花屋さんにだって観葉植物に精通した方は居ます。

最近では一部のホームセンターではクオリティも向上しています。

 

長年この仕事に携わって来て思うのは、お客様との出会いがやり甲斐であった様に、

言い換えれば、大切なのはどこで買うかより誰から買うかだと思います。

そのことを前提に、

理想的なお店でしっかりしたスタッフまたは店主の方を探してはいかがでしょう。

間違っても、ノリやイメージだけで推してくる店はパスしましょう。

 

1.知識があって信頼できるスタッフは居るか。

2.植物に痛みや病害虫はないか。

3.売り場は整理され、商品が大切にされているか。

4.商品はきれいにディスプレイされ、痛みはないか。

まず、基本的な判断ポイントを挙げてみました。

 

プラス、

5.植物と共にコーディネートできる鉢カバーなども取り扱っているか。

6.希望する品種を取り寄せて貰えるか。

 

 

常日頃思うのですが、私たちとお客様も出会いであるように

お客様といい植物の「 縁 」も出会いであると深く思います。

植物にも命があり、縁で繋がるんだということを何度も思わせて頂きました。

では、その 「 縁 」 をどこで探しますか?

 

生産者が心を込めて育てた観葉植物は質が良く丈夫です。

品種選びと管理さえ間違わなければ、よく育ってくれるのは間違いありません。

購入するなら、

ご近所の専門店、園芸センター、フラワーショップ ( 商品が豊富な )へ通ってみましょう。

そこで、しっかりとしたアドバイスをくれる方を探すのが一番です。

何か相談したいことがあった時に、すぐ相談にのって貰える環境は大きいですよ!

 

良い生産者が作る、いい植物。

出荷量を優先して、工業製品の様に同じ顔で大量に作られるものとは違い、同じように見えても一本一本に持ち味がある植物と是非出会って頂きたいと思います。

生産者を大切に思う店は、植物に対する思いも深いかもしれません。

物として扱っている様な店は論外です。

 

と、これから観葉植物を育ててみようと思われる方は、是非ご近所でいいお付き合いが出来る店を探されることをおすすめします。

 

ネットショップについて思うのは、基本的に手軽さは評価しません。

植物って、例えば犬や猫と同じに命あるものですから個人的には抵抗を感じます。

だって、猫や犬をネットで選びませんよね?

顔を見て、何となく性格を想像して決めると思うのです。

植物も同じじゃないですか?

 

では、ネットではダメなのか?

そんなことはありません。

ネットで販売なさっている方の中にも植物に対してのこだわりや、思いが伝わって来る方は多々いらっしゃいます。

コレクター向きの植物や、クオリティの高い植物を扱ってらっしゃるショップはきっと扱いも丁寧だと信じます。

そのあたりも評価等含めて判断されてはどうでしょうか。

希少性の高い植物を高額で購入される前に、一旦は手軽なものを購入してみるというのも判断材料になるかもしれませんね。

ネットならではの魅力は希少性の高い品種を探しやすいというところにもあります。

上級者の方にはより一層楽しみが広がりますよね。

 

「 餅は餅屋 」という言葉が昔からあるように、

それぞれ各分野の専門があるということはお分かりいただけたでしょうか。

育てる。

贈る。

用途に応じて使い分ける際の参考になればと思います。

 

 

専門店

園芸センター

フラワーショップ

ネットショップ

ホームセンター

どこで購入するにしても信頼できるかどうかに尽きます。

そうして、皆様自身の知識と経験が積み重なったとき、購入先の使い分けが見えて来ると思います。

 

次回は、「 購入する前に。観葉植物編 ~ その3 ~  」

具体的に品種はどう選ぶかについてのお話です。

 

 

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購入する前に。観葉植物編 ~ その1 ~

 

こんばんは。

 

あなたは植物を購入しようと思う時、また誰かにお祝いの植物を送る際に購入するのは

お花屋さんですか? 園芸専門店ですか? ネット購入もありますね?

雑貨屋さんであったりインテリアショップであったり。

ホームセンターも力を入れている感が出てますよね。

最近は購入先も様々にあって、選択の幅が広がったと同時にそれが迷いどころにもなっているのではないでしょうか。

 

購入先ごとの話はひとまず置いておいて、

今日は観葉植物を購入する際に、予習として是非チェックして頂きたいことをいくつかお話したいと思います。

 

例えば、僕たちプロがお客様のために仕入れをする際にどういうところに気を付けているのかをお話しますね。

( プロでも、それぞれ見るポイントのプライオリティに違いがあると知ってください )

今回は、私の場合 + 一般的に見るべきポイントということでお話します。

 

1. 葉の色つやは大事。

    人の健康も肌や顔色に表れるのと同じです。葉色と同時に葉先の枯れこみなども 

    見ておきましょう。    

2. 株元のぐらつき。

    ぐらついて根の張ってないものは避けましょう。

    見た目は良いのにぐらついているということがあるので要チェックです。

    この条件から、私個人としては絶対に買わない品種があります。

3. 病害虫の痕跡もひと通り確認します。

    不自然な斑点やべたつき等を確認したら購入は見合わせましょう。

    葉裏のざらつきはまずハダニ、葉の軸の根元などに白い綿のようなものはワタムシ

    あとはカイガラムシ。販売サイドも注意はしていると思いますが念のため。

4. 用土のチェック。

    土は植物が健全に生育するための大事な要素です。不自然にふかふかしていたり、

    スカスカだったり違和感はありませんか?

5. 枝先、芽先が徒長していませんか?

    徒長というのは簡単に言えば、間伸びしていると言ったら良いでしょうか。

    又は、新芽が白くなり過ぎているものもNGです。元気で勢いを感じるものを!

 

ざっと思いつくのはこんな感じですが、これは観葉植物をあまり育てたことのない方に

注意して欲しいポイントです。

プロや慣れた方であれば対応策も講じることが可能なので、トータルで見て購入することも多々あります。

殆どの場合植物の返品って出来ないと思いますので、慣れないうちは少しでも失敗のリスクを軽減して頂きたいという話です。

 

個々の対応処置についてはまた別の機会に致します。

次回は、「 購入する前に 」の ~その2です。

 

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ベンジャミン スターライト

 

blog 始めてみます。

始めまして、B.said です。

唐突ですが、この度ブログを始めてみようと思い立ちまして

まずは書いています。

 

というのも、

このコロナ禍においてペット購入者が激増し、結果として飼育放棄が増えているというニュースを見たんですね。

きっと皆さんもご覧になられたのではないでしょうか?

あるNPO法人の犬猫保護センターが保護した数は以前に比べなんと5倍とか。

一方で、実は観葉植物の販売数も激増しています。

特にネットでの観葉植物販売は大きく売り上げを伸ばしているようです。

しかし、果たしてこれは手放しで喜んで良いのだろうか?

 

30年間、この業界に身を置いて常々お客様の失敗談は耳にしてきました。

それは、お客様自身の失敗というよりは購入した植物の要因によるものも少なくはないのです。

結果、「 私ってすぐ枯らすのよね・・・」とか、「 何度やってもダメ。」と、すっかり育てることに自信を無くされた方を沢山見てきました。

植物たちに携わって来た者として、このコロナ禍で巣立っていった植物たちがペットの様にならないことを願っています。

 

当たり前のことですが、喋りはしないけど植物もペットと同じで生きています。

売り手も様々で、本当に植物を愛し植物を育てる楽しさや醍醐味を語ってくれる業者も居れば、売れれば何でも良いという業者だってはっきり言って普通に居ます。

「 売れれば何でもいい 」

言い換えたら、「 売れるなら何でも売る 」と言えます。

これは、単純に質の悪さや不当な価格設定を指したものではありません。

しかし、結果的に枯らしてしまい自分の管理が悪かったのだと感じる方が多いのは事実です。

 

 心ある生産者の方々が育て上げた良質な植物は、そうそう簡単には枯死しないと信じます。

ですから、折角であった植物たちに沢山癒しを分けてもらうためにも、ほんのちょっとした購入時のポイントや育て方のポイントをシンプルにお話していこうと思います。

 

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twitter.com/eiji_b_said

 

 

植物を直接お客様に提供してきた立場でです。

 

植物図鑑的な感じや、花言葉集はきっとやりませんが、

折角なのでその他、是非おすすめしたい品種や品種ごとのコーディネート例なども書いていこうと思います。

観葉植物や庭木、それに草花やハーブもありますね。

時にはドライフラワーやアーティフィシャルフラワーなんかも取り上げてみたいと思います。

 

見切り発車的なブログですがどうぞよろしくお願いします。